最大のバリアフリーは温度差のないこと
上のグラフは今から20年以上も前に、吉野先生が調査された貴重な資料。
これを見て分かることは、古い家は(1) 夜と昼での温度差 (2) 暖房している部屋とそうでない部屋との温度差(3)暖房している部屋でも床と天井面の間の温度差、つまり3つの温度差がある住宅だったということ。
まず、朝は3℃ぐらいで、このグラフからは省略したが、居間の床上1メートルの昼のピーク時が23℃だから、20℃の温度差。
そして、暖房していない台所、寝室、廊下、浴室の温度はほとんど変らず、暖房している居間の床上1メートルとはこれまた15℃以上の差がある。
そして、同じ居間でも床上50センチと天井10センチ下とでは10℃の温度差がある。さらにこれを床上5センチで比べたら、15℃以上の差となるであろう。
隙間だらけの家は、これだけの温度差があるのだから、風邪をひかないようにするには、大変な注意力が必要。常に上に羽織るものを用意しなければならないし、便所や風呂へ入るには一大決意が必要だった。
家の中に段差のないバリアフリーが叫ばれているが、一番差をなくしなければならないのは温度差。夜と昼、部屋毎、部屋の上下の温度差をなくすことこそが、最大のバリアフリー対策です。
冬は風邪にかかりにくく、夏は熱帯夜がないので熟睡出来る
風邪……中でもこわいのが、インフルエンザウィルス。
インフルエンザウィルスが弱いのは「高温」「湿度」「紫外線」
したがって、インフルエンザは夏はじっと潜んでいて、もっぱら温度と湿度が低く、紫外線の弱い冬に猛威をふるいます。
インフルエンザのウィルスは、陶器を濾過するというほど微細。したがってマスクをしていてもそれほど効果がなく、帰宅して石鹸で手を洗うことやお茶などでうがいをすることが肝要。
そして、何よりも温度差のない家で過ごすことです。温度差がないと20℃でうたた寝をしても、風邪をひきません。
ご存じの方もあろうと思いますが、関東地域でR-2000住宅の第一号が横浜市青葉区の玉置宏さん。大阪毎日放送のクイズ番組で「高気密住宅にして一番有難かったのは、10年間風邪をひかなかったこと」と言っています。ノドが商売の芸能関係で、最近高気密住宅が注目されているのは当然のこと。
それと、忘れてはならないのが加湿。静電気を起さないようにするためにも、冬は観葉植物などを部屋の中に取り込むとともに、こまめに加湿を心掛けることが大切です。
[夏はスイッチはONのままで温度を調節する]
夏は、クーラーはOFFにせず、付け放しで温度調節をするのがもっとも効率的です。例えば寝る時はONのままで設定温度を28℃とか29℃にします。すると一晩中でも稼動している時間はわずか。これは外出する時にも当てはまります。2〜3日家を空ける時は29〜30℃に設定します。するとクーラーはほとんど稼動しません。室温を上げて、急速冷房でフル運転させる方が電気代が余分にかかります。
自動車でブレーキを踏まず時速50キロ程度で走る方が、100キロで急発進、急ブレーキをかけるよりもはるかに燃費がいいのと同じ理由。
こうしてクーラーをOFFにしないと、適当に除湿を行ってくれるので、熱帯夜がなくなります。夏、安眠出来ることこそ、健康にとって最大のポイントです。
関東は九州とともに杉花粉の最大の汚染地域
関東地域では5人に1人が杉花粉症だと言われています。
花粉症というのは、ある日突然、各人の容量を突破すると、半永久的に治らないと言われています。
毎年、容量を突破する人が、増加し続けています。
これからも、確実に増えてゆき、やがて5人に2人とか、2人に1人と言う状態にならないとも限りません。
世界中に杉の木があるから、杉花粉症は世界的な病気だという気がします。
ところが、花粉症の人がおそるおそるヨーロッパを旅したり、アフリカやニュージーランドを訪ねても、平気です。
日本でも、北海道や沖縄には杉花粉症は皆無。
つまり、日本の本土と四国と九州に植林された、杉属杉科の「杉」だけが、花粉症をもたらしているのです。
上の図を見て下さい。本土の中でも東北や山陰地方は、驚くほどではありません。四国の北側も、被害がほとんどありません。
なんといっても、杉花粉銀座と言えるのが九州と関東。
九州はすっぽり杉花粉汚染地域になっていますし、関東地域は新潟までを含めた広域な地域全体が汚染されています。
花粉症を治す住宅はありません。
しかし、花粉フィルターによって、花粉の侵入しない住宅は造れます。 隙間のない高気密住宅は花粉が侵入しません。
玄関前で、髪からコートなどに付いた花粉を丁寧に叩き、急いで家の中に入ります。もちろん、花粉の季節は布団や洗濯物を外には干しません。外に干さなくても十分に生活出来るのが、高気密住宅のもう一つの健康性のメリットです。
空っ風による土埃の侵入がなく、掃除が格段に楽に
赤城や榛名から吹き下ろす空っ風。
フェーン現象によるカラカラの風が、畑の土を埃として捲き上げる。
草の茂った季節なら問題にならないが、図のように平均風速が強いのが4月までの春先き。
しかも、地球の温暖化で下の図のように風が次第につよくなりつつあるとか、集中豪雨的な降水量の増加傾向があるとか言われてきています。
こうした傾向にかんがえてみても、畑の多い北関東では、土埃の入ってこない住宅が命題になってきます。
高気密で隙間がなく、花粉を捕捉してくれるフィルター付きの住宅で、奥様方にもっとも喜ばれているのが掃除が格段に楽になったこと。
雑巾による拭き掃除の必要がほとんどなく、紙モップでことが足ります。
そうです。高気密住宅は「奥さん孝行の住い」です。
排気ガスも入らず騒音も少なく、24時間排気でアトピー症に効果
排気ガスとアトピーや花粉症との関係について、学問的にはまだ解明されていません。しかし、石原東京都知事は、ジーゼルエンジン車の規制で壜の黒煙をふってみせ「これほどのススが、アトピーに無関係な訳がない」と断定。
北関東、中でも群馬県の道路事情はものすごく良くなってきており「一家に三台の車社会」になってきました。道路が良くなったということは、それだけ街道沿いの住宅が多くなったということであり、騒音と排気ガスに責められる住宅が増えたということ。
花粉の侵入が防げる住宅は、土埃と排気ガスの侵入を防ぐことが出来ます。
問題は騒音。
当社の住宅の気密の良さは抜群。騒音が大幅にカットされますが、各室に給気用の約10センチ丸の穴が開いているので、完璧というわけにはゆきません。
しかし、給気口は外壁の仕上材に直接穴をあけて入れているのではなく、通気層と呼ばれる部分から給気しています。このため、騒音は拡散され、少なくなります。
下の図はちょっと古いが吉川さんの著作から一部を抜粋したもの。アトピー性皮膚炎の最大がアレルゲンが家屋塵とダニ。この家屋塵の90%を占める土埃、排気ガス、花粉などがなくなり家屋塵が激減。また、カビが居なくなったので、これを好餌とするダニも大幅に退治出来ます。高気密住宅は24時間換気とあいまって、アトピーに対して画期的な効果を持っています。
天井高が9尺高のゆとりと勾配天井、吹抜空間の開放感
昔から「天井の高い家は、心の大きな人物を育てる」と言われています。
戦後、コルビェジェなどの建築家の悪い面の影響を受けた日本の建築家や建設省の役人が、公団や公営住宅などの天井の低い箱型住宅を、何の反省もなく平気で造ってきました。その結果「想像力や独創力が乏しく、横並びの意識しかないサラリーマンを輩出してきた」という人がいます。
その真偽はともかくとして、天井が高い家は、ゆったりした感覚を与えてくれます。とくに天井の高い和室は、今までのちまちまとした茶室的な空間を愛でる人には違和感があるかもしれませんが、多くの人から圧迫感がなく、大変に解放的だと歓迎されています。
同じ8帖の部屋でも天井が8尺と9尺ではこんなにも感じが違う
[一般的な天井高8尺の和室]
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[マイスターハウスの天井高9尺の和室]
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誰もが、大きな吹抜け空間や勾配天井を求めてきました。
しかし、隙間だらけの住宅では、侵入した冷気が床に溜まり、温めた暖気は上昇し、大きな温度差が生じ、熱効率が悪くて、とても住めたものではありません。
R-2000住宅という超高気密高断熱住宅が登場して、初めて吹抜けの部屋でも階の床と2階の天井面の温度差が、あって1〜2℃という信じられない空間が出現してきました。
表面結露がなく、窓やカーテンが汚れないうれしさ
マイスターハウスは、卓越した施工能力で、日本でも最高値の気密性能を誇っております。平均的な相当隙間面積が0.3平方センチ以下ということは、一番心配な構造躯体内に結露の心配がないということです。
そして、一番カビの生える台所と浴室は24時間換気と、浴室の床暖房によってほぼカビを追放し、このことによってカビを好餌とするダニの発生も極端に少なくなり、文字どおりの健康快適住宅に変身しました。
さらに強調したいのは、家の中に温度差がありませんから、今まであった押入れの壁などの表面結露もなくなりました。また、全面12ミリ厚の遮熱ペアガラスの採用で、冬期ガラス面の結露もほぼ追放出来ました。
よく「あんな高い吹抜け部分のガラスの掃除は、どうするのですか」と聞かれます。今までの一枚ガラスだと、冬の朝はタオルで拭いても拭き切れないほどの結露が溜まりました。この結露に隙間から入った土埃や排気ガスが付着し、ガラスをドロドロに汚しました。
ガラスに結露がなく、土埃がないと、ガラスの内側はほとんど汚れません。雨で汚れた外側は、散水で処理出来ます。
ガラスが汚れないということは、カーテンも汚れないと言うことです。
ただし、ペアガラスだと100%結露が防げるかというと、必ずしもそうではありませんん。
下図のとおり、単板ガラスは12℃の温度差で結露し、アルミサッシは10℃の温度差で結露します。
これに対して普通のペアガラスは24℃差で結露し、Low-Eガラスは30℃差まで結露しません。木やPVCのサッシ枠も28℃差まで結露しません。
ただし、室内の湿度が異常に高かったり、ガラスに物を立て掛けたり、図のように厚地のカーテンを掛けた場合は、温度差ではなくカーテン裏の空気がコールドドラフト現象で露点に達し、薄く霧がかかった状態になることがあります。
床が1、2階とも木のフロアーになって、全体的に吸音が不足
マイスターハウスは「10年間は無償で性能を保証する」ため、徹底的にこだわってきましたし、今後ともこの姿勢は不変です。
このため、自分達でほれぼれする出来栄えの住宅です。
ただし、あえて欠点を挙げれば、室内の音。
ペアーガラスで、気密性の優れた住宅は、ピアノを弾いても隣近所に迷惑をかけることがありません。
しかし、外へ音が抜けない分、家の中にこもります。
そして、これは工法に関係なく、ダニを嫌うために、ほとんどの家の床が、1階、2階を問わず木のフロアーになってきました。
畳は、室内で発生した音の60%を吸収してくれます。カーペットの床も50%近くを吸収してくれます。これに対して、木の床はたった10%の音しか吸収してくれません。
このため、最近のすべての住宅が、内部発生音の吸収が足りず、反響音でうるさいのが現実。言ってみれば、ダニのアトピーから逃れるために、木のフロアーにした分、音を我慢して生活しているというのが実態です。
建築的には、天井面に吸音ボードを貼ることによって、かなりの吸音を図ることが出来ます。吸音ボードの分価格は高くなりますが、技術的にはそれほど難しいことではありません。
しかし、見た目やデザイン面などから強要することは出来ません。やはり、カーテンとかソファー、タペストリィとか観葉植物とかを最初から計画的に配置して、吸音性に配慮していただくことが、快適面の大切なポイントです。